いつからか、眠れなくなっていました
気がつけば、ひと月以上、まともに眠れていませんでした。
頭痛や目の奥の痛み、食欲のなさ、ぼんやりとした集中力――。
無理に頑張ろうとしても、思うように体も心もついてこなくなってきて、ついに心療内科の扉をたたきました。
頭の中に浮かぶ無数の「やること」
眠れない夜、頭の中は静まるどころかどんどん騒がしくなります。
例えるなら、やるべきことが書かれたルーズリーフが何十枚もあって、それが私の周りを取り囲んでいるような感じです。
タスク、悩み、不安――全部が一気にやってきて、焦燥感に押しつぶされそうになります。
静かな部屋に横たわっていても、頭の中だけは朝までフル稼働です。
朝が来るのが、こわい
ようやく眠ったような、眠れていないような、そんなまま迎える朝。
目が覚めた瞬間から、またルーズリーフが一斉に浮かび上がってきます。
頭の中に次々と「やらなきゃ」が並び、気づけば呼吸も浅くなっている。まるで、アラームと同時にアドレナリンが流れ出すような感覚です。
弱っている自分が、ふと過去を呼び寄せる
そんなふうに心が擦り切れてくると、思い出してしまうのが元恋人のことでした。
就職活動や社会人一年目の彼を、私は自分なりに支えてきたつもりでした。でも今、私がこんなにも苦しいときに、隣にはもういない。
仕方のないこと。分かってはいます。
でも、弱っている時ほど、心の中にぽつんとあの人の影が浮かんでしまうのです。そして、それに少しだけ落ち込む自分がいて、そんな自分にもまた少し傷ついてしまいます。
心療内科に行くことは、ちょっと勇気がいりました
正直、心療内科に行くのは迷いました。
「自分の心ぐらい、自分で守れる人でありたい」――そんな気持ちがあったからです。
でも、眠れないままでは何も変わらない。少しでも眠れるようになりたい。それだけの思いで、行ってみることにしました。
思いがけず、安心できる場所でした
診察室で出会った先生は、いい意味で予想を裏切る方でした。
同情されることなく、けれどもまっすぐに話を聞いてくれる。
なんとなく手の内が見えないような、でも話していて居心地のいい、不思議な安心感がありました。
自分でも何がつらいのか明確に説明できないまま、ふわふわと話してしまいましたが、先生はその曖昧さもそのまま受け取ってくれました。
それだけで少し、肩の力が抜けた気がしました。
比べることより、自分を大切にすること
私は今、フリーターです。
「社員として働いている人の方が大変なんじゃないか」と、自分の悩みを小さく扱ってしまうこともありました。
でも、苦しさに大きいも小さいもありません。
「ちゃんと眠ること」――それが今の私にとって、なにより大事なことなのだと、ようやく認めることができました。
薬に頼らなくても眠れる日を信じて
まだ道の途中ですが、いつかきっと、薬がなくても眠れる日が来ると信じています。
焦らず、でも立ち止まらず、自分を責めずに、少しずつ。
弱さを隠さずに持ったまま、丁寧に生きていけたらと思っています。
余談….
先生にすすめられた本があって、タイトルは『私の美の世界』。
どんな内容なんだろうって、気になってます。
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